【取材記事】ベンチャー社長必修!法人保険について【NPO法人全日本保険FP協会】

『税金は、会社にお金を残すためのコスト』経営者に必要な考え方&リスクマネジメント


 

── あとは、いわゆる税金対策ですか?外にお金を置くとか、そういったのは、利益が出て落ち着いてきたらですかね?

奥田:そうですね。よく申し上げるのは、経営者って、みんな税金払いたくない。「税金払うのは悪だ」みたいな方いるじゃないですか?でも、残念ながら、税金払わないとお金残りませんからね。「税金は、会社にお金を残すためのコスト」なんですよ。

── おーーなるほど。すごい名言ですね。

奥田:それって、自分が経営してて思うんですよ。私も以前は税金を払いたくなかったので赤字にしたり、利益出さなかったんですよ。そうすると何が起きたかというと、その利益を消そうと思ってお金を使うわけですよ。そしたら、お金が残らない。当たり前ですけどね。そうすると、いざ何かがある時に、お金を使いたいと思うと無いんですよ。ベンチャーだから、お金を借りにいってもなかなか金融機関がお金を貸さないでしょ。

── 借りられないすね。

奥田:無理でしょ?そこでどうするっていうと、ノンバンク系のところに行って、高い金利で借りてこなきゃいけない。そうなると余計に資金繰りはしんどくなる。やっぱり、自由に使えるお金を残そうと思ったら、「税金はコスト」なんで。今日もあるベンチャー経営者にお話したんですけど、この「コストの構造を知りましょうね」と。

法人の税率って3段階になってて、法人の利益400万まではざっくり20%なんですよ。税金のコストって。400万から800万はざっくり25%なんですよ。800万以上の利益は35%なんです。という事は、400万までは、20%のコストで済むんで、資金効率考えたら良いですよねと。

なので、400万までは確実に利益出しましょうと。400万円〜800万円までは25%なんで例えば、損金になって25%以上のリターンがあるんだったら、別にそっち側に使ってもいい。ただ、私は基本的に法人利益800万までは利益出せと言います。そうしないと会社が持たないんで。自分の反省も含めて言ってるんですけど。

800万円まで利益出して、内部留保していく。黒字にしていく。さっきの話じゃないですけど、そういう黒字になって、法人にお金が溜まっていく会社って良い会社なんで。例えば、ベンチャー経営者が事業を作りました。何年間かやって、利益出して納税してます。で、ビジネスモデルもちゃんとしてるんだったら、もし経営者に何かがあっても、その事業を引き継ぎたいっていう会社とか、引き継ぎたいという社員が出てきたら、事業は続いていくんですね。やっぱり、いい会社にしておくっていうのが、一番のリスクマネジメントです。

例えば岡村さんの会社のビジネスモデルは面白い、で、ちゃんと法人に利益出してお金が残ってたら、「あの会社は財務内容もいいしモデルも面白いからウチが引き継ぐよ」という所が出てくるかもしれないじゃないですか。そう考えていくと、利益出して納税するってことは、会社経営の基本なんですよ。

── (爆笑)非常に正しい!

奥田:正しいでしょ?自分の反省も含めてですよ。はい(笑)

── 安易に考えてた自分が恥ずかしくなりましたね。

奥田:私もそうなんですよホントに。そうやってきたんで。自分としても。

知ってた!? BtoBなら、まずは「経営セーフティー共済」を検討


 

── ちゃんと利益だして、事業整えろと。まあそりゃ重要ですね。

奥田:あとは、実際にある程度利益が上がってきた時。事業の内容によっては、BtoCであれば、毎月決まった金額が入ってきやすいので、事業が安定する。でも、BtoBの場合って、ずーっと売上がゼロで、ドンと売上が上がったとか、変動するじゃないですか?そうすると、資金繰りがブレてくる。

そういう時に、いかに効果的に資金を貯めていくかっていう。そういう所は考えていかないとダメですよね。そういう時に、1番初めに考えるべきは生命保険じゃなく、「経営セーフティー共済」なんですよ。

── そんなのあるんですね?

奥田:はい。経営セーフティー共済を簡単に言えば、企業と取引した際の売掛金は、相手企業が倒産したりするとお金が入ってこない。そういう時に、緊急的に資金を融資しましょう、という共済制度なんですね。経営セーフティー共済は、そういった使い方をする制度なんですけど、この制度何が凄いかって言うと、まず、掛け金が全額経費になるんです。加入して40ヶ月経てば、40ヶ月以降この制度を止めた時に、掛け金全額が戻って来るんです。

── へーーーー

奥田:ようは、全額経費で簿外に含み利益を作っておけるんです。コレ何かって言うと、例えば大口の取引先との取引が終わってしまって今期は赤字になるという時に解約して、赤字を埋める事ができるんです。そういう損益コントロールが出来る。

── 凄いですね。そんな事ができるんですね!

奥田:だから、BtoBの仕事をする企業さんは、入り口は月額5,000円の掛け金で良いんで、まず経営セーフティー共済入りましょうと。40ヶ月経てば、満額入ってくるんで。最高月20万円まで、年払い240万円が最高なんですよ。

もしちょっと利益が上がって、利益を消したいんだったら、税金を納めるのが基本ですけど、一部をこういうもので、簿外で含みを作っていくと何かの時に、勿論融資も受けられますけど、掛け金を益金に計上出来るんで。そういうネタをいくつ持っているかが、安定経営には必要ですよね。

保険で節税は考えない!だったら、ベンチャー経営者は六本木で飲め!?


 

── おー凄いっすね。基本的に、保険で節税とか言われる事って、こういうことなんですね。

奥田:もっと言うと。実は、保険では節税出来ないんですよね。

── えぇ!?節税のイメージしかなかったです。

奥田:なぜかって言うと、節税っていうのは、「税金が安くなる」と定義をすれば、先程の「経営セーフティー共済」で言うと、保険料を払えば利益が「圧縮」できます。ですが、解約をしてお金が戻ってくる時には益金として計上しなければならない。「入り口経費で、出口が益金」となる場合は、「利益を先送り」しているだけなんで、お金が返ってくるタイミングで課税されます。つまり節税にはならないんですよね。あくまでも「課税の先送り」です。

出口として将来利益が上がった、益金に対して大きな損金を出して利益を消せれば、初めて節税と言えますね。

 

── 保険で節税っていうのは、退職金とかそういう時に使う感じですか?

奥田:一番大きなものと言えば、退職金でしょうけど、スタートアップしたばかりの20〜30代の経営者が、退職の事を考えてます?30年後40年後の事を考えてるかと言ったら、考えてないですよね?誰も。そういう意味では、そこは難しいです。掛け捨ての保険に入って利益を減らしますといっても、本当に必要な保障だけでいい。不必要な保険に入っても意味が無いですよね?無駄にお金を使うなら六本木で飲んでても変わらないですから、六本木で飲んでた方が気持ちいいでしょ(笑)

── (爆笑)ベンチャーならほんとそうすね。前に保険のプランナーさんから話を聞いたら、退職金で節税できるからやっとけみたいな感じで言われたので。

奥田:退職金なんて、イメージしてないでしょ?

── 関係ないなって(笑)そこまで会社あるか分からないですからね(笑)

奥田:例えば、すごい変な話ですけど、ベンチャーで作る時から、「俺は絶対5年後に上場させてバイアウトして退職するんだ」と。そう決めてるんだったら、5年間で退職金を積んでおけばいい。じゃあ、資金そんだけ積めるのか?という問題もあるんですよ。そんだけ売上あがるんかい?という。そこで退職金取るよりも、売却した時のキャピタルゲインで十分ですよね?という話にもなります(笑)

── そうですね。そっちに力を注げよっていう(笑)

奥田:残念ながら、そういう事をベンチャー経営者に語れる保険の人材がいないっていうのも問題なんです。法人の事を知らないし、ベンチャーの事を知らない。そもそも決算書も読めない。そういうのを協会で、資格制度を通じて保険営業パーソンの法人保険営業のレベルを見える化したい。可視化っていうんですかね。それが協会の趣旨なんです。

誰に相談すれば良い?法人保険のプロフェッショナルは狭き門


 

── 確かに、法人の場合、どこに相談すればいいのかって、ちょっと分からないですね。

奥田:そうですね。まあ税理士の先生と一緒で、この税務の相談誰にしたらいい?税理士先生がみんな対応出来るのか?といえばそうでもない。法人作って保険相談したい。じゃあ、保険営業だったら誰でも出来るのかって言ったら、みんな契約欲しいんで相談には乗りますけど、経営を知らずにむちゃくちゃな事を言う人もいます。それは同じ業界の人間として反省点として言いますけど。

 

── 資格を取るために、どういったことを学ぶんですか?

奥田:基本的には、やっぱり企業経営ですよね。まず、最低限「決算書」が読める。これは必須です。あと、経営者が、どういう悩みを抱えているのか知っている。悩みを解決できる専門家を知っているというレベルが最高ですよね。

── なるほど。知ってるは重要。

奥田:我々は保険営業ですから。保険営業以外の事は、知識として知っている必要がありますけど、問題解決できるまでの知識は必要ないんですよ。経営者の方が悩んでいらっしゃる、悩みを理解できる所までの知識があれば、あとは、専門家を紹介すればいいだけなんで。協会にも、得意分野がそれぞれある税理士の先生が、10名程度会員でいらっしゃるんで。

まずは経営者の話を聞いて理解出来るだけの知識がある、そして決算書が読めるということが必要です。そして、そもそも保険の知識も必要なんですよね。これ、保険のプロだから、保険の知識みんな持っているって当たり前と思うかも知れませんけども、意外に知らなくて。今入っている保険を入り直すのがいいのか?その保険を使って、他の保険に変換するとか。こういう時にこの保険をこういう風にするとか。

プロとして、自分の扱ってる保険を徹底的に知っているかっていう。そういうことがアドバイス出来ないと、信頼されないですよね?

── 商品知らない人が多いっていうのは、取材をすると良く聞きますね。

奥田:そうでしょ?実は多いんですよ。乗合の代理店(複数の保険会社と契約する保険代理店の事)さんは、取り扱えるアイテム数が多くなるわけですから大変だと思いますね・・・

── そうですよね。絶対覚えられないだろーなと。

奥田:そうなんです。

 

── ちなみにこの、HPを見ると「教育機関(優績倶楽部、元氣塾)」ってあるんですが、これなんですか?

奥田:全日本保険FP協会は、資格認定だけをする機関です。会員に対して教育をする機関ではないんですね。教育は、我々の趣旨にご賛同いただいた教育機関と連携しています。我々の考えているレベルの「法人向け保険販売」の教育をしてもらって、一定期間その教育期間で勉強している方に対して、一定のレベルに達しているとみなして資格を認定しています。ただこれらも、協会の普及の為にやっているのであって、あまりやってしまうと、会員のレベルが落ちてくる可能性があるので、一定の期間でやめようと思っています。完全に試験制にします。レベル感を統一しないといけない。

── 今は、一定期間その教育期間にいれば資格がもらえるんですね。

奥田:そうですね。もしくは、協会が開催している講習会に参加してくれれば、試験免除で認定しますよと。また、インターネットで試験が受けられるようになっているので、受けてもらって合格してもらえればいいんですけど、難しすぎて合格者が出ないっていう(笑)

── 難しいんですね?(笑)

奥田:めちゃくちゃ難しい(笑)

── オンラインでいつでも受けられるっていう手軽な感じなんで、簡単なのかと思ってました。

奥田:受験はできるんですけど、気軽に。

── 勉強してみようかなと思ったんですが、そういうレベル感じゃないですかね?初級で受けやすいと思ったんですけどね(笑)

奥田:そうですね、けっこうなレベル感ですよ。難しいですよ、普通に。今までの反省を踏まえてしっかりと試験問題を作りこみましたので・・。

── 経営と保険両方学ばないといけないですもんね。勉強しないで相談した方がいいですね。

奥田:そうなんですよね。

 

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ドコマド保険ニュース。略して「ドコニュー」のライターです。
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